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俳優・駿河太郎、北泉海岸の週末サーフトリップ
東北随一の波は、何度も訪れる価値あり
軽やかなフットワークで全国各地の海を旅する俳優の駿河太郎さん。彼が向かったのは週末の南相馬市。意外にも縁のある福島県について、じっくり話も聞いた。

「僕、昨年にNSAの級検定を受けるために北泉海岸に来ました」と駿河さん。東北随一と言えるサーフスポット北泉海岸は、365日波がある場所として知られる。そのクオリティの高さから、何十年にも渡り、多くのサーフコンテストが開催されてきた。それは世界のトップサーファーが競い合う最高峰リーグ「WSL」から、日本のサーファーの未来を担う「NSA」、ローカル達が集う大会まで、多岐に渡る。

2年前には、自宅のある都内から千葉へ向かい、そのまま北上して福島や仙台を巡るサーフトリップへ。その時、北泉海岸をホームポイントとする佐藤広プロに出会い、この場所でサーフレッスンも受けた。NSA出場も入れると、今回が3度目の北泉海岸だ。
サーフィン好きで知られる駿河太郎の素顔
サーフィンを始めたのは30代半ば。もう10年以上も前のことだ。
「幼い頃からサーフィンに興味があったんですが、海の近くに住んでいる訳でもなく…。憧れだけど遠い存在で、なかなかチャンスがなかった」。
俳優として安定し始めた30代、初めてのクルマを手にした彼は、撮影中のドラマでサーファーの俳優に出会う。仲良くなった彼に「ずっとサーフィンがしたかった」と伝えると、彼は「クルマは持ってないんだけど、ボードはあるよ」と。では! と駿河がクルマを出し、彼のサーフボードを持って一緒に海へ。

「1発でハマりました。ずっとイメージしていた楽しさのままだった。すぐにボードを買って、一人で海に行くように」。
今の彼もサーフィンは一人で行くスタイル。その場で出会うサーファーと仲良くなり、どんどん仲間を増やしていく。気づけば全国にサーファーの友達ができていた。

波乗りが好き。それだけで広がる人の輪
「休日があれば海に行きたい。なんでこんなに好きなんだろう」。
2025年、『風のふく島』というドラマではサーファー役を演じた。福島県の12市町村への実在する移住者達に着想を得た、オムニバスドラマだ。
「福島はもちろんですが、日本にはまだ知られてない素敵な場所がいっぱいある。サーフィンをしていると、そういう景色に出会える。そこも惹かれる理由です。同時に自然は人間の小ささを感じさせてくれる。海上がりはいつも謙虚な気持ちになれるんです」。

さて、この日の北泉海岸はムネ〜カタ、時に頭サイズ。地元の波を知り尽くした佐藤広と一緒に海に入った。佐藤広プロとは仲良しで、この地を訪れる時は必ず声を掛けるという。
ローカルの佐藤広プロとセッション
柔らかな存在で常に笑顔の広さんだが、海では真剣な面持ち。的確に波を読み取り、美しいハングテンを見せた。

「さすがですね。僕もサーフィンが上手くなりたい。ありがたいことに周りには素敵なサーファーが多いので、せめて彼らと一緒に海に入っても、恥ずかしくないレベルまで上達させたいです」。
最近、駿河さんが愛用しているのはノーコンケーブのサーフボード。基礎を見つめ直している最中だ。実はNSAの級別テストを受けようと思ったのは、友人に誘われて出場した別のコンテストがきっかけ。結果は1コケで、その事実に愕然としたという。

「俺全然ダメじゃん、って。前はサーフィンが楽しければいいという感覚だったけど、試合後は『上達する』が目標に。仕事もそうですが、好きなことに中途半端に向き合いたくない」。元々はクラシックなロングボードスタイルに憧れて始めたサーフィンだが、今は波に合わせてボードもチョイスしている。
駿河太郎のマイボードを拝見!
今回の旅には『ダマ・サーフボード』のロングボードと、『ライアン・バーチ』のミッドレングスを持参した。ロングの延長で楽しめるミッドレングスは、ホレた波でも重宝する。
「10年くらい前に購入しました。今は6’10”のツインザーが一番短いかな。とはいえ、やっぱりシングルフィンの延長が好きですね」。


俳優としてドラマや舞台で活躍する傍ら、ファッションブランドも手掛け、空間プロデュースやクルマ関係のアンバサダーとしても活動。その間にサーフムービーをチェックしたり、ボードデザインを研究したり、サーフコンテストに出場する。そのエネルギーはどこから来るのだろう?
「凝り性な性格ではあります。でも『サーフィンが好き』という気持ちが一番大きいんじゃないかな」。
駿河さんが感じる南相馬市の魅力
千葉や茨城は都心で暮らすサーファーにとって日常的な場所。だが、さらに足を伸ばせば、実はこんな楽園がある。
「福島は雰囲気が変わりますね。波のパワーは十分、何より人が少ない」。
メディアでは大都市がクローズアップされがちだけど、田舎にこそ日本の本当の魅力があると駿河さんは言う。北泉海岸もまさにそのようだ。

「福島は控えめな人が多い印象です。すごく魅力的な場所なのに、誰も主張しない。もったいないと思うほど」。
憧れのサーファー達と交流を交わしながら、サーフィンの技術やスタイルにも磨きをかけていく駿河さん。「愛車のデリカは今年の1月に納車されたばかりだけど、もう6,000キロ以上走っています。仕事が空くとすぐ海へ向かっちゃう」。

久しぶりに訪れた北泉海岸。満足な様子で帰路へ着いた。
◉Staff
Photo: Kenyu
Text: Akemi Kan



